2008年3月 のアーカイブ

いするぎのえのつくりかた 第三回

2008年3月20日 木曜日

本放送もいよいよクライマックスですねーではでは今回は第三回はもうひとりのメインヒロイン、比呂美のデザインのお話。
美少女と同居、なんてシチュエーションはギャルゲアニメでも珍しくないですが、TTのようにリアル寄りの描写をしていると、なんか、こう、えろいよね……。

乃絵のデザインがこの時点ではロングヘアーだった為、シルエットのバランス、キャラ位置的なものを加味して、対称的になるような差をつけてデザインしていました。
同居する薄幸美少女ヒロインということで、男性が好きそうな要素(大人しくて控えめで品があって等々)をいろいろ入れていって、後の決定デザインとなります。

とりあえずは言葉で語るよりは、実際の初期デザインラフを見ていただきましょう。
fhir1.jpg
fhir2.jpg

…………ちょ……これは……。

視聴者の方々はツッコミを入れたいデザインというか、後の朋与に流用されたデザインなので、今見るとどう見ても比呂美初期デザインというよりは「きれいなともよ」。

顔立ち、表情は比呂美っぽいというか綺麗な顔立ちになってますね。
後にわりとフツーの顔立ちにリデザインした朋与は気に入ってます。

デザインを他のキャラに流用するとかどうなのよ、楽してんじゃね?とかいうツッコミも入りそうですが、これは非常に高度でアーティスティックな判断でありまして……

「あなた、嘘ついたでしょ」

……次回は「小柄」「巨乳」「幼なじみ」「先輩」と萌え要素勢揃いな愛ちゃんのデザインのお話です。
(第四回につづく)

いするぎのえのつくりかた 第二回

2008年3月13日 木曜日

公式HPのホワイトデー専用TOPに驚愕しつつ、第二回更新です。

まず男共は後回しにして(眞一郎は主人公なのに……)メインヒロイン達のデザイン作業が始まりました。

シナリオを読み込んだり、スタッフの方とミーティングを重ねたりしながら、何となくアニメ「truetears」のイメージが固まってきました。
今風のギャルゲーのような雰囲気ではなく、昔の日本映画であった尾道三部作とか(今の人わかるかな……)の雰囲気。

あの時代に僕のような年若い恋愛に憧れる非モテ層が観ていた(勝手に決めるなよ)上質の恋愛モノのジュブナイル映画を思い出しました。
最近はこういう系統の良い作品って、あまりないような気がするんですが、今の中高生辺りの若い人達はどんなものを観ているんでしょうねえ……ギャルゲー?

さておき。あの頃のこういう映画のヒロインは、何となく不思議な雰囲気を持ったキャラクターが多かったような気がします。
そんな不思議ちゃんな雰囲気を、乃絵の表情やルックスで表現できるよう試行錯誤しました。

この時点でデザインの指定はおばあちゃんのコートのみでした。こういうアイテムを起点にしてシルエットも作ります。

出来上がったデザイン第一案がこちら。今見るとロングヘアーは違和感ありますが、表情とかは近いですね。
作ったイメージに合わせ、ベレー帽など服装にあえてレトロな雰囲気を入れています。
fnoe1.jpg
fnoe2.jpg
そして監督にチェックをいただきます。
「あれ、俺、乃絵はショートカットにして欲しいって言わなかったっけ」
「…………(言われてない気がするのですが……現場で一番偉いのは……監督!)」
「大変申し訳ありません。全て手前の不手際でございます」

という訳で乃絵ロングヘアー版は没案に。とは言え、表情やキャラクターのイメージはこれで固まってきたので、デザインをさらに調整します。

この時点で乃絵と同時に比呂美、愛子のデザインも進んでおり、ロングverの乃絵とバランスを取るために、比呂美のこの時点でのデザインは決定稿と全く違うものになっています。

それでは次回は、視聴者の方から総ツッコミ必至の比呂美初期デザインのお話です。
(第三回につづく)

いするぎのえのつくりかた 第一回

2008年3月7日 金曜日

TVアニメという媒体でのお仕事をさせていただいたので、せっかくだしここでもオンタイムで何かやってみようかと思い、しばらくこのブログでちょっとしたコラム形式で自分のパートの仕事なんかをお話してみます。

作中のストーリーやネタバレには触れず、キャラクター原案の仕事のみに話題をしぼって書いていきますので、そういったことに興味のある方は、よろしければお付き合いくださいませ。

さてさて、現在オンエア中のTVアニメ「truetears」で、キャラクター原案というパートを担当させていただきました。
まずはキャラクター原案って何?というトコからお話を。
アニメに詳しい方なら、区別はついているかもしれませんが、いわゆるキャラクターデザインとは多少異なります。

オリジナルのアニメやゲームの場合はキャラクターの容姿をデザインする=キャラクターデザインなのですが、原作があるコンテンツの場合、キャラクタの絵(漫画の絵柄、ゲームのCG)はアニメで動かすための絵にリファインする必要があります。
その部分を担当するのもアニメではキャラクターデザイナーと呼ばれます。両者に表記の明確な線引きはなかったりするのでややこしいのですが。

漫画原作のアニメとかの場合は、漫画家がキャラクター原案、アニメーターの担当がキャラクターデザインと言えば解りやすいでしょうか。

今回は原作となるゲームからテーマを引き継ぐものの、ビジュアル設定を新規に設定するため、オリジナルの原案が必要となる変わったパターンでした。

というわけで、自分が担当したのはメインキャラの容姿デザインとアイデアのみで、配色や実際のアニメで使われたデザインや小道具等はアニメスタッフの方の担当ということになります。

自分が参加したのは去年の春先、まだ出来ているのは脚本のみで第一話、第二話も改稿中(決定シナリオの前段階)の段階でした。
キャラは乃絵と比呂美、眞一郎以外は描写も少なく、全体の構成もまだ未完成。
ビジュアルに関しての素材は富山が舞台、ということ以外は何もなく、まさに0からのスタートです。

ギャルゲーを原作としたものと聞いていたので、シナリオもそんな感じかなーと思って第一話を読んだのですが
「なんか変わった話だな……キャラも少ないし……今どき珍しい地味なドラマだし……鶏いきなり死ぬし……」
とりあえず「なんか自分が思ってたようなギャルゲーっぽくないな……」という第一印象でした。
スタッフの方からの要求も、地味である程度リアル寄りなデザインにして欲しいとの事。

簡単に言えば、ピンク髪ツインテールとか禁止ー!やたら派手な装飾とかも禁止禁止ー!……という訳で。
えーそれって結構難しいんですけど……。
簡単に言えばビジュアルからキャラを立てにくい、配色や記号的表現に頼って差別化しにくい……とか諸々。

しかも同時期にほぼ同コンセプト(舞台が雪国の田舎町の恋愛話)のビジュアルノベル「収穫の十二月」のキャラクターデザインも進んでおり、バリエーション付けに悩む事となります……。

とりあえず最初のオーダーはメインヒロインの石動乃絵から。次回は彼女のデザインに関して諸々語ります。
今回は制服デザイン案をおまけに公開~見慣れないキャラが居ますがこの娘は一体……?
(第二回につづく)
co_td01.jpg

ゲームもよろしく。

2008年3月6日 木曜日

さてさて「アイドルマスターrelations」単行本第一巻、ご好評いただいてる様でありがたいことです。
ゲームを未プレイで漫画だけ読んでくださった方も居られるようで。

ゲームをプレイされた方には判る小ネタを色々入れてますので、是非是非アーケードやxboxでプレイしていただけると、コミカライズの役割も果たせるというものです。

作中さまざまなオリジナルキャラが出てきますが、東豪寺麗華以外はゲーム中のどこかに存在します。
そーいうのを見付けて楽しんでいただければ良いなーと思います。

im_co1.jpg

発売中の電撃マ王さんの別冊付録にイラストも描かせていただきましたーそちらもよろしく、です。
L4Uやりてー